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ドライカットについて

 カットの方法について

BINは、ドライカット専門店です。

では、ドライカットと通常のウェットでするカットの違いを見て行きましょう。(下に写真での説明もあります。)


カットには大きく分けて(私が勝手に区別しています。)
ブラントカット(ウェットで切ります)・レザーカット(ウェットで切ります)・ドライカット(乾かした状態で切ります)があります。

 

 ブラントカット

ブラントカットといえば、あの有名な「ヴィダル・サッスーン」が考案したと言われています。
私が美容師になった時、先生がサッスーンカットをされていました。
ウェットの状態で、引き出した毛束の角度に対して垂直にカットします。
小さな(手に隠れる程度)シザー(ハサミ)でチョキチョキとリズミカルに正確なカットをしていきます。
髪の毛1本の切り口は、最小面積で、キュウリに例えると、ぶつ切り状態ですね。
よって、1本1本がその状態だと言うことは、全体を見ると、どうしても重くなりがちです。
昔の、ボブ、グラデーションボブ、マッシュルームなど、比較的重目のヘアスタイルに向いていると思います。

ほとんどの美容師さんは、ブラントカットをベースにカットされています。
だから、髪は濡れている間にカットするもの。
っていう常識があるんですね。

個人的には、よく切れるシザーでリズム良く、正確にカットしていく様は好きです。


 レザーカット

レザーカットは、ブラントカットが上陸してくるまでは、日本の美容室では主流でした。
多い、硬い、太い髪の毛の日本人には合っていたのかも知れませんね。
昔は、アップにしていましたので、髪が馴染んで、セットし易く、毛量も簡単に加減できる為アップスタイルには合っていました。
しかし、先ほどのブラントカットで作るボブスタイルや、グラデーションボブなどのヘアスタイルが主流になり、一旦影を潜めます。
レザーカットの特徴としては、

●まず、ブラントカットとは逆に「軽い」という事です。
先ほどのブラントカットがキュウリのぶつ切りだったのに比べ、レザーカットは、斜めにスライスした感じです。
1本1本の切り口が軽いという事は、やはり全体を見ても軽いヘアスタイルなんですね。

●次に、感覚でカットできる。
彫刻をする感覚でバランスを見ながら感性でカットできます。

●すばやく切れる。
ロングストローク、ショートストロークなど、いろいろ使い分ける事で簡単にヘアスタイルが作れます。
時間も早ければ、5分もあれば仕上げる事が出来ます。

このように、利点も多いレザーカットですので、ヘアスタイルの流行の移り変わりで、
影を潜めていたレザーカットが、またもや持て囃されるようになりました。
重いスタイル、硬いスタイル(いかにもセットしました的な)から、軽いスタイルが流行してきた為です。
軽さを出す為に、レザーカットでザクザク削ぐようになったんですね。

しかし、きちんとルールを守ってカットしていない人が多く、
大まかな感覚だけでカットする美容師さんが一時期多くなりました。

レザーでカットするときの注意点として、十分濡らす必要があるんです。
これを怠ると、枝毛になる、髪が傷むなどの弊害が出てきます。
早く、感覚的な仕事が出来るのは良かったのですが、
言い方を変えると、いい加減、あいまいなカットで、
髪がスカスカ状態になっていったり、
まとめてゴソっと切れていたり、
レザーカットは傷むのでイヤだ!という方も多くなってきました。
実際は、同じレザーカットでも、技術者のスキルの違いで、
上手な方が切ればそんなに傷むものではないと思います。

ヘアスタイルも、ただ軽いだけではなく、もっと正確さ、
計算された動きが求められるように変化してきました。

 

 ドライカット(DryCut)

上記のような流れから、一番最新の技術として誕生のがドライカットです。
ドライカットは、日本人の髪を、白人のような軽く動きのあるヘアスタイルにしようとあみだされたカットなのです。
カリスマ美容師などと持て囃された時期からですね。
キムタクが美容師の役を演じたドラマも放映されました。
あの時キムタクが行なっていたカットはスライドカットと言って、
スライドさせながらシザーを小刻みに動かしてカットしていく手法です。
勘違いしがちな、スライドさせながら押し切りする方法ではありません。
その切り方だと痛いですよね、髪も傷みそうだし。
引く時に絶妙なタイミングでカットしますので上手くやると、切られているお客様には不快感がありません。

スライドカットは私も良く使います。

このドライカットも、カリスマブームに乗り、
ショー的なカットをする方が増え(エフェクトカット、ストロークカットなど)、
見ているととてもカッコ良かったものです。

しかし、カッコ良さに美容師が憧れて、お客さんの事などお構いなしに
自分の世界に入ってチョキチョキやった人も多かったものですから、
お客さんからするとガリガリ引っ張られて、痛い、髪は傷む、スケスケに成った、何か付けないとヘアスタイルはおさまらない。
たまったものではありませんね。

そんな経験から、ドライカットは痛いドライカットは傷む!など、
思い込んでいる方もいらっしゃるようです。
無理もありませんね〜。
確かにショー的な要素もある意味必要ですが、私たちのドライカットは結構地味なものです。
ドライカットは傷むのではなく、○○さんが切ったら傷む・・・ではないでしょうか。
ドライカットは痛いのでもなく、○○さんが切ったら痛い・・・ですね。

ブラントカットは重く、切り口が揃っているので、カットしてきたのがバレる。
正確なカット自体は好きでしたが、仕上がりの不自然さが好きではありませんでした。

レザーカットは、自然な感じ的には良かったのですが、
繊細な、正確なカットが出来にくいので、ソフトなヘアスタイルには良いですが、
言い方を変えると、ボヤけた感じのスタイルになりやすい。
写真で言うピントのあっていない、使い捨てカメラのような感じです(あくまで私の感覚です)。
軽さと、シャープさを併せ持つようなヘアスタイルを作る事は難しいように思います。

レザーカットに比べ、ドライカットはとっても繊細で正確なカットが出来ます。
計算したナチュラルなカットが出来るわけですね。

ただ、それぞれのカットの特徴が分かっていれば、
イメージに合わせて使い分ければよい事で、
このカットじゃないとダメって事はありません。

私も、スタイルチェンジされる場合など、
ドライカットで0からカットせず、
必要に応じて一部レザーカットを使います。
最終的には、ドライカットでスタイルを作らせて頂きます。
レザーで切ったからといって傷む事はありませんのでご心配いりませんよ。


それでは、ドライカットについて詳しくみていきましょう。

簡単に言うと、乾かしてから切るんです。
でも、それならウェットカットでも仕上にドライ状態でチェックカットしていましたからね。
そういう意味ではありません。

まず、乾かす時にクセ、髪質、毛量、毛流をチェックします。
濡れている段階では、それらは分りづらいものです。
もしくは、ご来店された、お客様の普段の状態で、クセの出た状態でカットさせていただきます。
ウェットでカットすると、乾かした時に、アレ!こんなに膨らむの?
こんな所にクセが!ココ、こんなに浮いてしまうの?
なんて事が起きるんです。

カットといえば髪に意識がいきますが、髪のクセ以上に毛流(髪の毛が生えている方向)が大きく影響してきます。
ドライにすることで、髪質、毛量、毛流を考慮しながら正確にカットできるドライカットは、まさしくオーダーメイドする感じです。
お客様お一人お一人に合わせて正確にカットできます。
微妙な繊細なカットが出来るため、誰が切ったか?
で、仕上がりはずいぶん違ってきます。
乾かすときに、流れに逆らわず、より自然にブローするのがポイントです。

そしてカットしてから、2週間後にはどうなっているのか?
1ヶ月後はどうか?など、
少しぐらい伸びてもカッコ良いスタイルがキープできる方がいいですもんね。
ドライカットは、「伸びてもまとまる」と、皆さん口をそろえておっしゃいます。

 



 ドライカット(DryCut)について
実際に写真を使ってドライカットの工程をご紹介しますね。
今回のモデルさんは、17歳で髪質は 多い・硬い・クセあり・太いです。
典型的な日本人の髪質ですね。
モデルさんは、この日、ロングだったものをレザーでこの長さまでカットしています。
その後、ブローした状態です。
これからドライカットしていきます。

うーん、重たいですね。マッシュルームカットのようになっています。 
いわゆる、ヘルメットをかぶったようなヘアスタイルですね。
好きな方は好きなんですけど・・・。
レザーカットでガイドをカットした状態です。

レザーカットしていますので、ブラントカットほど重くありませんね。
この程度は動きが出ます。
毛先に動きがあるのがお分かりだと思います。
根元から中間部分は面で立体感はありません。
動きはこの程度

毛流に添って1cm〜2cm角で引き出したパネルを鉛筆の先のようにカットしていきます。
普通にカットした状態では、引き出すと四角形で、角があります。
その角の上の部分をカットしています。
パネルを引き出し、カット

下の角も落としていきます。 パネルを引き出し、カット

これでワンパネルのカットが出来ました。
鉛筆の先のようになっていますね。
この作業を全体に施していきます。
パネルを引き出し、カット

毛先のカットが終わりました。
先ほどのレザーカット直後と比べてみてください。
軽くなっているのがお分かり頂けると思います。
毛先のカットが終了
レザーカット直後とは変わったのがお分かりいただけるでしょうか?
毛先のカットが終了

毛先のカットが終わりましたので、次にスライドカットに移っていきます。
写真は、スライドカット前の状態です。
根元から毛先までの毛量を確認してください。
スライドカット前の状態
スライドカットしています。
ハサミを引く時に小刻みにカットしていきます。
カットしていますので、「削ぐ」とは違います。
削ぐ場合は、押切り、ハサミの向きが逆になります。
スライドカット前の状態
ワンパネルのスライドカットが終了しました。
上の写真と比べてみてください。
徐々に毛先が細くなっているのが分かると思います。
これをまた、全体に施していきます。
スライドカット後の状態

全体のカットが終了しました。
一番上の写真と比べて、だいぶ違いますね。
長さは変わっていないんですよ。


手を入れて動かしてみると・・・。
先ほどカットしたラインが出ているのがお分かりでしょうか。




いかがでしたか?
ドライカットを少し理解していただけたでしょうか。
カットしたラインがそのまま出ているのがお分かり頂けると思います。

軽くする=髪をすく(減らす)では無いんです。

減らすと薄くはなりますし、グラムは減りますね。
それでスタイルになるのなら、セニングシザー(すき鋏)でザクザクやってしまえば良いわけです。
実際、ヘアスタイルにおける軽さは、グラムではなく、動きだったりします。
髪を明るくするするだけで軽くなりますね。
確かに、色の持つ重さもありますが、明るくする事で影が出来やすくなります。
影がクッキリ出るということは、動きがはっきり分かりますので、軽さが強調される訳です。
すき鋏ですいたのと、スライドカットでカットした場合の違いは、また今度紹介しますね。

ドライカットは手間が多く、時間もかかりますが、そのメリットをご理解頂けましたらきっとご満足頂けると思います。
みなさん一様におっしゃるのは「伸びてもカッコいい。」です。
美容室側から見ると、決して利点ではありませんけどね。

 


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